3歳ごろ、アフリカ東部のケニアという国に2〜3年ほど住んでいました。 ナイロビの近く、ナクールという町。 裸同然の格好にたくさんの首輪や腕輪をつけ、槍を持ってライオンを追いかけ、暇さえあれば空高くジャンプする。
そんなことは決してないので誤解のないように。
ちゃんと服を着て、食材はスーパーや市場で買って、犬を飼って、まれ飛んだりもしましたが、基本的にはおもちゃで遊んでいました。
日本での生活と決定的に違うこと。 気候、安全性、衛生面、いろいろありますが、ボクが今振り返って一番思うのは、「所得」です。
そりゃあアフリカと日本だもの。って思うでしょ。 まあ聴いてやってください。
日本人は基本的にどの国に行ってもお金持ちです。 東南アジアに買い物旅行に行ったことのある人なんかは よくご存知なのではないでしょうか。
父の仕事の都合でケニアに行ったボクの生活といえば、 広い庭のある大きな家に住み、 シェパードらしき風貌の犬(名前はキャンディ・雌)を飼い、 そして家にはお手伝いさんがいました。
ベッドを整えたり、掃除をしたり、要するにお手伝いさんでした。 真っ黒な肌の彼らはいつも陽気で、いつも笑っていたように思う。 白い手のひらが印象的で、「哺乳類」って感じの細長い指、 サッカー選手のアンリみたいに長い後頭部、 二十年近く経っても忘れられない汗臭い匂い、 抱っこしてもらった時に右手親指の付け根に触れてしまったタバコの熱さなど、 すべてがボクのoriginです。
昼休み?みたいな休憩時間にはお手伝いさんの友達 なんかも集まって、トウモロコシを煎って食べていた。 トウモロコシといっても日本のものと違い 白くて硬かった。 それでも香ばしい匂いがなんだかたまらなくて、 家族に隠れてこっそりもらっちゃってた。 家族や犬からは子どもだからって理由でアマく見られていたボクも、そこではみんなとわいわいできた。
「はいはい。」で済まされるボクの意味不明な発言も、そこではいちいち皆が反応してくれるし、例え笑われていたのだとしても満足だった。 きっといっちょまえに世間話なんかもしていたんだと思う。
ボクの記憶は大体こんなところから始まっている。
だからポップコーンの中に入ってるあのカッタイカタイ タネみたいのを噛み砕くと、大げさですが アフリカの渇いた空とトウモロコシを思い出します。
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