オタクとかマニアとか、

秋葉原といえばそんな感じ。

 

中学の頃、一度だけ行ったことがあります。

当時ゲームのウラワザ?というか

裏ツールみたいのがあって、

 

後にゲーマーと呼ばれることになる友人が、

「どうしても欲しい」と。

「ここら(埼玉)には売ってない」と。

 

「プロアクションリプレイ」っていうんだそうです。

 

 

埼玉の田舎町に住んでいたもんだから、

電車でぶらぶらどこかへ行く

っていうのに少なからず憧れを持っていました。

 

だから内容はどうであれ、

何らかの目的をもって東京の、

いや日本の真ん中の

電気街に行くことは

ボクにはとっても輝かしいことに思えたのでした。

 

 

 

当時はポケモンの黄色いのが新発売で、

売り切れ続出にも関わらず

秋葉原にはありました。

 

田舎町では

ゲームは定価で買う以外には

しばらく待って中古で買う

しかないにも関わらず

格安の新品が

秋葉原にはありました。

 

 

競争という名の資本主義ですね。

 

 

 

ついていくままに店を何軒かハシゴして、

友人はついに目的の品を見つけて購入。

 

いろんな物に目を輝かせながら(←ピュアな意味で)

気がつけば何も買っていないボクは、

電車代を無駄にしないためにもCDを購入。

B’Zの銀色のアルバムでした。

 

 

さて、そろそろ帰ろうか

なんて言いながら歩いている時でした。

 

 

ぽん。

ボクの肩に手が触れます。

 

なんだろうと思って振り向くと、

そこには大きなお兄さんが。

 

 

彼は言いました。

「ちょっとさぁ、電車代を貸してくれない?」と。

 

 

ボクは言いました。

「え。そんなお金ないですよ」

 

 

すると彼は言いました。

「じゃあいいからこっち来てくんない?」

 

 

 

 

わお。

からまれてるよこれ。

 

 

察したボクは

「いや、あっちに行く用事があるので」

と後ろを指差す。

 

 

すると彼は続けます。

「じゃあそっちでもいいや」

 

 

!!!

(えと、どういうことかしら???)

 

 

指差した方に体を向けると、

またもや

 

!!!

 

そこにはもう一人仲間が。

ボクの友人と楽しくなさそうに

おはなししてる・・・。

 

 

 

きっとこのまま路地裏かどっかに

連れ込まれて、

 

ボコボコにされるか

金をよこすか

どっちっがいいんだ?

的なことを言われるんだろうなあ。

 

最悪両方だなあ。

 

なんて考えながら、

ボクと友人が前、

二人の兄さんが後ろに、

 

という形で歩いてました。

 

 

20〜30メートル歩いた時でしょうか、

音楽もやっていた友人が

あごで何かを合図しました。

 

目の前には楽器店が!

 

 

「ここに入るんで・・・」

気でも狂ったんでしょうか、

ボクはわざわざ不良にあいさつまでして、

店に入りました。

 

 

当然不良どもは入ってきません。

 

 

そのお店は五階くらいまであるビルで、

エレベーターがついてました。

 

ゲームの影響でしょうか、

友人はまるで

さも『サバイバルで基地に潜入した経験を活かして』

『最善の戦略として』

『作戦を』

『実行するんだ』

といわんばかりに

声を押し殺して言いました。

 

「上だっ!」

 

 

 

 

 

 

30分ほどしたころでしょうか。

そろりそろりと一階へ行き、

『決してこちらの存在に気づかれないように』

おそるおそる入り口の方を見ました。

 

 

「隊長!まだいます!!」

 

ボクの報告を目で察した友人は

すでに階段の方へ忍び足。

 

 

窓から逃げ出そうにも、

針金で固定されている・・・。

 

ここにはトランシーバーもなければ

ロケットランチャーもない。

 

あるのはトランペットとオルガンだけ。

 

 

さあどうしよう。

 

 

とりあえずボクは、

所持金額を偽装するために

財布の中身を靴下の中に入れ、

走っても脱げないように

靴ヒモを固く縛りました。

 

 

 

もうひとまわり店の中を見たあと、

観念しました。

 

 

男としてはどうしようもなく恥ずかしい限りなのですが

 

でも田舎モノですから。

都会は怖いんです。

 

 

 

 

お店の人にすがる。

 

「今ちょっとそこでからまれまして、まだ店の前にいるんです」

「何とかしてもらえませんか・・・」

 

 

 

かっこわるい?ですって?

 

はい。かっこわるいです。

 

でもそれ以外の方法があって、

実行する勇気があるかっていうと、

 

たぶんあなたにも、ない。

 

 

 

お店の人からすれば、

「何だこのくそがきども・・・

買い物もせずにこのオレに

チンピラを追い払えってか?」

 

困った客に遠慮なく

困った顔をしてみせる店員。

 

 

とりあえず1階まできてもらい、

入り口の方にいるチンピラを・・・

 

 

っっっていない!!!

 

 

 

 

どうやら向こうも観念して、

帰っちゃったみたいです。

 

電車代もないのに

どうやって帰ったのかは

わかりませんが、

 

とにかく

帰っちゃったみたいです。

 

 

 

むなしい空気が3人の間に流れ、

「すみません、ありがとうございました」

と言ってそそくさとその場を立ち去りました・・・。

 

 

 

待ち伏せにあうこともなく、

無事に駅までたどり着くことができました。

 

 

「まあ怖いこともあったけど、

買いたいものが見つかってよかったじゃない。

怪我もなかったし、

お金も盗られなかったし」

 

なんて話しながら、帰りの切符を買おうとして後悔。

 

靴下の中のお金が

とれねぇとれねぇ・・・。

 

靴ヒモがまた

ほどけねぇほどけねぇ・・・。

 

 

弱肉強食の資本主義の街で、

リアルな

「弱肉強食」を目の当たりにした。

そんなブラックな思い出が痛い街、秋葉原。

 

二度と行きません。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送